聖書と映画~ベンジャミン・バトン 数奇な人生~

「聖書と映画 ~ベンジャミン・バトン 数奇な人生~ 

ベンジャミン・バトン 数奇な人生」という映画を観ました。主人公は80歳の老人の肉体を持ってこの世に生を受けます。母親は主人公を出産してすぐ亡くなりますが、余りにも乳幼児離れした容貌に父親は驚愕し、子育ての自信を無くし、養老院の門前に主人公を置き去りにします。そこで働く黒人の女性に拾われて主人公はスクスクと成長していきます。彼は見た目は高齢者でしたが世間の好奇の目にさらされることもなく、日がな一日車椅子に座ったままでお年寄りに囲まれつつ幼少期を穏やかに過ごします。育ての母は熱心なクリスチャンでした。母が通う聖霊派のキリスト教会で牧師に癒しの祈りをしてもらったことが切っ掛けとなって、彼は車イスから立ち上がり、二本の杖歩行から一本の杖歩行へ移行し、次第に足が丈夫になっていきます。そして、年をとるたびに若返っていきます。水夫として大海原を渡り、真珠湾攻撃の戦火をくぐり抜け、彼は初老の男性から次第に初々しい若者へと変貌を遂げていきます。再び故郷に戻り、運命の人と結ばれ、娘をえます。幸せな家庭を築いていましたが、月日と共に妻が年老い娘も成長してくのに自分は益々若返っていく現実を憂い、彼は深く沈みこみます。このままでは愛する妻や子供に大変な負担をかけてしまうと思い悩んだ末、実の親から相続した全財産を妻に託して去っていくのです。十数年後、認知症の症状を呈する子供となってしまった主人公が発見されます。妻は彼を施設に引き取り介護を続けます。益々若返って乳幼児となってしまった主人公を年老いた妻は抱きかかえつつ最期を看取っていくのです。夫婦の愛、家族愛、そして、生きる喜びや死の悲しみについて考えさせる映画でした。我々の人生は労苦も多く、しかも、限りがあります。しかし、イエス・キリストは語られました。「まことに、まことに、あなたがたに告げます。信じる者は永遠のいのちを持ちます(ヨハネ6:47)。」